❇️片暉の残照❇️
第14章 赤い魔の手
「――――テイス…様…!?」
ハジロ嬢の執事は若いが…俺の首絞めですぐに落ちなかった。
「お前――――ちゃんと鍛えてるだな…」
「!くっ…ぐぅ…」
申し訳ないが…締め上げる腕に治からはを込めると…「くそ…」と、目を充血させながら…やっと落ちた。
「おい―――…時間かけすぎだ…」
ハジロ嬢の首に一撃をあたえた男が彼女を担ぎ上げ小言を言う。
金で雇われた――――…俗物のやからなのに…口は一人前で呆れる。
「テラスの下に――――仲間を待たせてる…馬車も待機しているから下に落とすぞ」
男は乱暴にハジロ嬢を担ぎ上げたまま下を見下ろす。
「準備はいいみたいだ――――早くしろ…つ~か、軽いお姫様だなぁ…」
「姫――――?ただの公爵令嬢だ……しかも、片目の…キズ女だ」
ぐったり男に担がれているハジロ嬢の眼帯に視線が行く。