❇️片暉の残照❇️
第14章 赤い魔の手
「――――意味か…」
サンドラ様は俺を見つめ――――大きくため息をついた…。
「彼女の髪を切れと命じた人間がお前だと分かって――――…あの場を離れるように…忠告したんだ…
だがなぁ…自ら囮になり穏便にすませたいと言ってきたのは…テイス嬢…本人だ」
俺は、理解ができず頭を抱える――――。
どういう事だ?
テイス嬢は…自分に危害を加えようとしている男の誘いに――――わざと乗ったのか?
「――――自分独りの時に行動を起こしてくれるなら…それでいいってさ、主犯も共犯も捕まえやすいだろうからって――――肝がすわってやがるよな……何されるか分からないってのに」
「――――分かっていて!分かっていて…彼女は連れ去られたのか!?」
サンドラ様はうなずくと…「バカな女だよな」と悔しそうな目をした。