❇️片暉の残照❇️
第16章 子守唄とバラの秘密
すでに遅い時間帯だったため――――…詳しい話は明日…と、なり…部屋には私一人となった。
首の後が鈍く痛いが…眠れる気分ではなく…私は部屋の窓辺にあるソファに座り月を見上げた。
「――――今日は…月が…見えるんだぁ…」
月の光が――――瞳に入ってくる…
ガラス越しに映る自分の瞳が、金色に輝いているのがわかる。
「本当に…不思議な瞳だなぁ」
テラスに出たときも月があったけど…会場の光の方が強くて…右目が金色になることはなかった…。
私は、眼帯を外し――――…両目で自分の顔を見た。
「――――…両目が…金だ――――…」
ガラスには両目の色が揃った私が映っていた。