❇️片暉の残照❇️
第16章 子守唄とバラの秘密
「テイス様が…歌われておりました…
それと――――…テイス嬢の瞳は……右は…薄い緑ですが――――…左は…レンティス王と同じて濃い黄金色の瞳でした…」
「テイス嬢が何故“大輪”の秘密を歌える?――――は…は?怪我で隠れている瞳が…黄金色…?」
“黄金色”と聞き――――理解が出来なかった王は…ポルギの顔を見て……「意味が……分からない…」と、呟く――――。
「わ――――私の憶測で申し訳ないのですが…
テイス嬢は…ティアナ様のお子さまなのでは?
ティアナ様はアヌイの我が家に住んでいた時期もありましたし…
それに、“大輪”はティアナ様が我が家で偶然咲いたバラを改良し、観賞用以外に――――毒に悩まされるレンティス王のために作り上げた……唯一無二のバラです、色変わりを歌詞に出来るのは彼女だけなのでは?」
ポルギの仮説にレンティスは…「ティアナ…の子?」と、唇を震わせる…
そして、ポルギは震えるレンティス王の瞳を真っ直ぐにみて――――こう言いはなった。
「しかも、片目だけとはいえ…黄金色の瞳…――――あなた様の瞳を持っている…
テイス様は…レンティス王とティアナ様のお子様なのでは…?」
その瞬間――――…レンティス王は暖炉の前に崩れた…