❇️片暉の残照❇️
第16章 子守唄とバラの秘密
「あぁ…これは――――ティアナと私…それとお前だけが知る…バラの秘密だ…」
ポルギは花びらが浮かぶ…ポットの水を見つめ「ですよね…」と、訝しげな顔をした。
「――――どうした?」
「レンティス王…
この子守唄をどう…思われますか?」
ポルギはそう言うと、テイスが歌っていた子守唄を歌った。
「♪――――
愛しき、愛しき、
大輪よ届け
寄り添い、寄り添い
重き空に紅
守りし、守りし
苦き水紫
願いし思い
愛する我が宝~♪」
歌い終わると――――…レンティス王の驚く姿にポルギも動揺した。
「どういう…ことだ?
その――――子守唄は…アヌイの伝統的な子守唄のメロディではないか…
歌詞は…“大輪”を歌っているのか?どういう……ことだ?」
レンティス王はソファから立ちあがり……暖炉の前で頭を抱えた――――。