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❇️片暉の残照❇️

第17章 両親会議


誘拐騒動があった晩餐会から数日後――――…


テイスはハジロ邸の自室に帰っていった。



それと同時期に…レンティス王はハジロ公爵を王宮へ呼び出した。



この国で――――唯一ティアナの無実を訴え、今日(こんにち)まで彼女の事を探していたのはハジロ公爵だけである。



王はティアナとテイスの関係をハジロ公爵は知っているものと考えたからだ。




そして、今…


応接室には人払いを済ませ、王とポルギ――――…ハジロ公爵とその婦人のローラと息子のメルトが一つの円卓を囲み…緊張していた。




しばらく沈黙が続いたが――――…


先陣を切ったのはポルギだった。



「ハジロ公爵――――わざわざ王宮まで足を運び頂きありがとうございます。

この度、レンティス王から公爵に聞きたいことがありお越しいただいた」


王の後ろで頭を下げたポルギは動揺や緊張を隠せないハジロ公爵一家に申し訳なく感じた。



「い、いえ――――…こちらこそ、テイスが何日も王宮でお世話になり何とお礼を申し上げたらいいか…」

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