❇️片暉の残照❇️
第18章 疑念の春
「は…はあ…さようですか…?」
ニコルが呆れようが、今後のためですから…あの微妙な味でも…我慢して飲みます!
庭の花壇に差し掛かると、ベンチに人影があり私はニコルとキロと目を合わせる。
「――――私が先に見て参ります」
キロが先にベンチに向かうと…深々と頭を下げ…そそくさと戻ってきた。
「ロミ様が息抜きに花壇を眺めていらっしゃいました」
「ロミ様が?」
ニコルは慌てたように私を見る。
「言葉通りの“息抜き”だと思いますよ?そうだ、お茶の用意をお願いします」
まだ、上着がなくても過ごしやすいが…流石に木陰は肌寒い。