❇️片暉の残照❇️
第19章 赤と青の欲望
元来、内気で真面目な性格のコーテルは王弟の妻でありながら表に出たがる母レミの性格に着いていけないところもあった。
しかし、王位継承順位が自分に付いた途端にコーテル自信も表に出るようにと要求してきた。
母の言いつけは守らないといけないと思っていたコーテルは、無理にでも自分を大きく見せる事に必死になった。
“お母様に誉められたい”
ただそれだけの衝動で――――。
姿をレンティス王に真似させられたり…人の上に立つ人間になるために胸を張り強い口調で使用人たちに命令などしなさいと言われた。
使用人が自分から離れていく感じは…態度や言葉遣いから察していった。
本当は敏感で繊細な性格が、母の希望を遂行すればするほど…重りとなり胃に貯まっていった。