❇️片暉の残照❇️
第19章 赤と青の欲望
「フフフ、ネールも13でしょ?今から社交界のマナーや序列を覚えないといけないでしょ?」
「だからといって…これは――――」
コーテルはテーブルの上で手を付けられずカサカサになり始めた茶菓子に視線が向いた。
「作らせたはいいけど――――…そんなにお腹空いてなくて~!でも、これと、これとこれは華やかでいいと思うの!」
ネールは、軽食の全てを指で弾き皿の中で転がすと雑に扱い「捨てといて」と、軽くあしらった。
その姿を、母であるレミは「また、作らせましょ」と、微笑んでいた。
最近、王弟宮の予算が上がったのをコーテルは知った。
成人し初めて王宮の公務をいくつか任せられ――――国のお金がどう流れているのを知ったのだ。