❇️片暉の残照❇️
第19章 赤と青の欲望
そんな葛藤のなか――――コーテルが成人すると、王族として王位継承者として王宮の公務が命じられた。
少しだが、外の世界を見ることとなる――――。
そして、自分のしていたことが…いかに子供じみた無意味なことだと知ったのだ。
更に、王宮の敷地内で暮らす自分達にどのくらいの国費が使われているか――――…他の者たちと比較し…唖然とする。
贅沢三昧の母の暮らしは――――民が国に納めたお金だった…
自分の暮らす王宮は国民の国を思う気持ちで成り立っていた…
なのに、自分は王の威厳だの姿にこだわり…使用人や民に無闇に命令し雑に扱った――――。
母がするように――――何も考えなく…わがままを言い、命令し邪険にしてきた。
「なんて…僕は愚かだったんだ」