❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
厨房の皆さんは私の眼帯を最初は気にしていたものの――――…最後は普通に話し接してくれた。
それだけでも嬉しいのに、また来てもいいと言ってくれる。
「///本当にありがとうございます」
私はこの暖かな思いを胸に厨房を出た。
「テイス様――――…良かったですね」
「///はい!」
ニコルが私の笑顔を見て微笑んでくれた。
それから少し、勉強の時間には間があると言うことで母のバラを見に行くことにした。
公爵家に来てからすぐに見せてもらったが――――…素晴らしいバラだった。
花びらも大きく、凛と咲く姿は王に献上されるにに相応しいバラだった。
「テイス様は本当に“ティアラ”がお好きですね!私も好きです。香りも上品で」
「ニコルもそう思う?私も」
二人でバラ園に向かう――――。
と、一台の馬車が公爵邸の前に停まっているのが見えた。