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❇️片暉の残照❇️

第19章 赤と青の欲望


「しかも、黄金色に関わらず…高位の強いご令嬢が…私のリストには多いし――――インギルご令嬢も…この方はサンドラ様の許嫁候補だったはずでは?!」



インギル嬢の名が出るとレミの眉がピクリと動いた。



「インギル嬢は――――…公爵家のご令嬢よ…リストに入っていて当たり前…でしょ?」


歯切れの悪い言い方にコーテルは困惑する。


「公爵家――――と、言うなら…ハジロ公爵家は?あそこにも――――「やめて頂戴――――傷ものの女が王妃になれるわけないでしょ!?」



コーテルの言葉を遮り言葉を発すると――――…レミは手元にあったマカロンをフォークで潰した!



「――――“王妃”?」





「そう、貴方は次期王なのよ?――――…どこぞの下級貴族から引き取った養女でしかも、瞳に傷があるだなんて…あり得ない!リストに入れるわけないでしょ!ハジロ公爵も何を考えているのかしら!家の恥でしょ?拾うにしても…アレは拾わないわ!

完璧な容姿は王妃の絶対条件――――…そう、ネールみたいな完璧な女の子を言うのよ?」


容姿が完璧だと言われたネールは誇らしげに胸を張り勝ち誇ったかのようになった笑う。



「ネールがサンドラ様のお嫁さんになるって!」




「は?――――ネールは13だろ?」



コーテルは椅子から立ち上がると、書状をコーテルに渡した。



“ネール・ゴルドガを王位継承者第二位のサンドラ・ゴルドガの許嫁とする”



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