❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
「やっぱり――――片目だと、足元がおろそかになるのかしら?」
私は左目の眼帯とその上にかかるベールを気にしながらバラ園に入った。
「///ふぁ~…いつ来ても……見事なバラたち…」
バラのアーチを抜けると、そこには一面のバラたちが咲き誇り優雅な香りをも振り撒いていた。
バラ園で育てられている“ティアラ”たちは奥で優雅に咲き誇っていた。
王宮御用達の唯一無二のバラ“ティアラ”
王様が公務を行うときには絶対に胸元に飾られる…王様のバラ――――…
「素晴らしいバラですね。“ティアラ”――――王様のこよなく愛するバラですね」
私は自分以外がこの場所にいることに驚き声のする方に振り替える!
「///――――え…と…?」
すると、私の後ろに一人の男性が立っていた…。
背が高く――――…
ふわふわな金髪の髪を短く切り揃え…頬笑む男性!
「君は――――…見かけない子だね?」
私はハッとしながらも令嬢らしい挨拶をしないと――――と、教わった通りの礼を男性にした。
「丁寧に――――ありがとう…って、一緒に頭も深々と下げられると…困惑してしまうよ?」
「あっ、す、すみません――――なれてなくて…」
「ハハハハ、私の妹も13だが、グラグラしているよ…しっかりとした礼をするのは大変らしい」
妹も13…って…私が13歳前後だと思っているのかな?
まぁ、細いし――――…幼そうに見えるし…しょうがないけど…13歳って…
私は頭をあげると…一歩下がる。
「君――――そんなに下がると…バラにぶつかってしまうよ?」
「――――え?!」