❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
「――――あっ…はい…幼い頃に…怪我を……お見苦しいモノを…お見せしました…」
私はそっと男性から離れると――――…ずれたベールを眼帯の前に垂らす。
「――――しかし、綺麗な…瞳ですね…薄い緑の奥に…銀や金の光が混ざっていて……なんて神秘的なんだろう…」
「神秘的――――?」
自分の瞳をそう言う風に言われたことがなかったから…驚いた…。
「あっ…貴方は――――す…凄く…濃い…黄金色……」
「――――ん…?」
濃黄金の瞳は、私の片目で毎日見ることが出来るが、両目をまっすぐ見るのは初めてである。
しかも、私以外にこんなにも濃い黄金の瞳の人間なんて――――珍しくて…私はドキドキした。
『誰にも見られてはダメよ?』
ハッと我に帰る――――!
母に言われ…隠さないといけない気持ち悪い瞳――――。
この人は……、
隠したくても…両目だと隠しきれないのだろうか…かわいそうである。
「ご不便なことはございませんか?」
「え?不便ですか?」