❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
濃い黄金の瞳で――――何か困ったことや嫌な思いをしているのなら…共感者として話ぐらいは…聞いてあげられるかもしれない。
「――――ふ、不便ですか?え?この……瞳でですか?」
彼は私を不思議そう様子で見ている…。
そうよね――――…不思議よね?こんなことを言われて戸惑ってしまうわよね?
隠して生きている私には聞く権利もないのかもしれない…。
それに、見るからに立派な方だろうから…私のように隠さなくてもいいのかもしれない。
「そ、それは考えたこともありませんでしたね……遺伝ですし。///困ったことはありませんよ」
「――――遺伝…?」
私は自分の左目の濃い黄金の色が…とても醜いものだと思っているから…彼の発言に驚いた――――…。
「///す、すみません……出すぎた真似を…」
彼の自信に満ちたその雰囲気にドキッとしたし…私もそのくらい強くなりたいと思った。
母が隠し通したい――――…私の不気味な左目に…私自身が誇りを持てたら…。
強くなれるだろうか…。