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❇️片暉の残照❇️

第20章 母のバラ


「みどりの中に……金と銀の閃光が走ってる……?」



薄いみどりの中に時々見えた金と銀の筋が――――朝日が湯に反射して照すことにより…閃光に深い色を着けていた。



「もう……年々…左目に右目が引っ張られてる気がする……って、まさかねぇ」



芯まで冷えた体をタップリの湯で温めようと肩まで沈ませる。


ゆっくり口元まで沈むと…ブクブクと子供のように口から空気を吐き出し…水面で弾けて消える空気の泡を見つめ――――瞳を閉じた。


さっきまで慌ただしく動いていた疲れが…今になって…どっと襲ってきた。



「ブクブク…(眠い…)」



瞳を閉じたことで…緊張がほぐれ――――…脱力する…。



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