❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
「では……湯浴みを…でも、一人で出来るから///キロはニコルについてあげて?」
「はい――――お部屋の外にはおりますので…何かありましたすぐにお声をかけてください」
ずぶ濡れだった体は、着替えをしていたから寒さは感じられなかったが…
体の芯は冷えていたのだと暖かな湯につかり実感した。
朝の日差しが湯浴み部屋に入り――――…いつもとは違う部屋の明るさに、眼帯を外した左目がいっそう綺麗な黄金色となる。
「――――朝の日差しと…お湯からの反射で…こんなにも濃く左目が輝くなんて……」
鏡に映る自分の瞳に…新たな発見をした私は…お母さん譲りの右目の色も不思議に輝くのを見逃さなかった。