
❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
「ここから先は…馬車での立ち入りは止められているみたいです……どうされますか?」
話によると、この先の悪路や消化と対応の妨げになると言うことで人の出入りを禁止していた。
「歩いて向かってはダメですか?」
「瓦礫や木材が散乱しておりますが…大丈夫ですか?」
キロは先の道を懸念し私に聞くが…私は歩いてでも植物園にいきたかった!
「歩きます!ごめんなさい――――わがままはだと分かっているけど…植物園が気になって!」
研究所に出入りをさせてもらってから…何度か植物園の花の入れ換えを手伝った。
しかし、お母さんのバラは“王のバラ”として植物園でも特別な区画に栽培されており、持ち出し厳禁の特別華に認定している――――。
王族のパーティーが派手になってきた昨今、バラを別の場所に移動させようと研究所の所長が頑張っていた矢先のこの火災……。
私はお母さんのバラが燃えていないことを祈った。
