❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
彼はフワッと笑い「君は――――不思議な子だね…」と、言うと“ティアラ”の豪快なバラの花びらを長い指で撫でた。
「不思議な…子?」
彼は私の反応を見て笑うと「そろそろ、戻らないと…」と、少し寂しそうな顔をした。
「また――――…遊びに来てください…」
その寂しい表情と濃く揺らぐ黄金の瞳に…私は声をかけていた。
「///あぁ…また、遊びにくるよ」
黄金の彼は背筋を伸ばし、バラ園を出ていった。
「――――凄い…綺麗な人だったなぁ…」
後ろ姿を見送ると私も彼が最後に見ていたバラを見つめた。
「王様のバラかぁ~…///立派だもんね」