❇️片暉の残照❇️
第4章 お兄様と義理母
「テイス――――、今週末はに王都に向かうが大丈夫かい?」
「は、はい!」
お父様の仕事が一段落したらしく、私の王都への出発日が決まった。
ハジロ領の屋敷にも慣れてきたところで、使用人の皆さんと離れるのが寂しくなる…。
「なんか、寂しいです…皆さんと仲良くなったので…」
「ハハハ、私もジムから聞いているよ――――、屋敷の皆と仲良くしてるみたいだね!それに、このパン!凄くフカフカで甘くて美味しい!レシピはテイスが提供してくれたと聞くよ?」
朝食に出されているパンをちぎりながらお父様は嬉しそうに口に運んだ。
「最初はそうかも知れませんが、ここまで甘くて美味しいパンにしたのは厨房の皆さんの力です」
「そうか――――ローラやメルトにも食べさせてやりたい!」
お父様は王都にいる奥様のローラ様やご子息のメルト様を思い頬笑む。