❇️片暉の残照❇️
第4章 お兄様と義理母
「///お…お母様――――や…///お、お兄様に会うのは…緊張します」
家族になったとはいえ、まだ一度も会っていないためか、呼び方がぎこちない。
そして、受け入れてもらえるか心配である。
「テイスお嬢様――――…大丈夫でございます。奥様もメルト様も大変お優しい方々でございます」
ジムが紅茶を注ぎながら私の緊張を解そうとしてくれる。
その横でニコルが私に頬笑む。
「テイス、ローラもメルトも君に会えるの今か今かと待ち遠しくしているよ」
柔らかく頬笑むお父様につられ私も頬が緩む。
しかし、無意識に私はそっと左目の眼帯を押さえる――――…。
「テイス…左目の傷が気になるかい?大丈夫だよ眼帯姿でも、私たちの娘には代わりないし、君の“お父様”と呼ぶ声や仕草は……嬉しくてねぇ~、///早くローラにも味わってもらいたもんだよ~!」
「お父様――――…?」
お父様は嬉しそうに我が家の柔らかパンを口に運ぶ。