❇️片暉の残照❇️
第22章 香油と裏切り者
「怒り――――?上等だ…、王の言葉を無視してガキを許嫁リストに据えたあの女が悪いんだ…」
――――許嫁リスト…前にここで話していた…リストの事だろうか?
「ぶち壊す――――俺はテイスを連れて茶会に参加し速攻退場する!あの女の思い通りにさせない」
――――あれ?ちょっと、私を連れて行くこと確定?!
しかも“ぶち壊す”って!?え?どう言う…こと?
私が会話に着いていけずキョトンとしていると、ロミ様が勢い良くソファから立ちあがり「それは――――ズルい!」と、声を荒げた!
その“ズルい!”に兄様が唖然とした表情でロミ様を見る――――。
「は?“ズルい”ってなんだよ――――…許嫁制度の撤廃と自由恋愛の正当化を訴えるんだよ!
俺は自分の伴侶は自分で見つける!」
「サンドラ――――なら、その場にテイスは必要ないだろ!なんで一緒に行くんだ!」
――――ですよね?私は必要ないです!
「は?一緒になりたいヤツを連れて行くのは当たり前だろ?」
「「え――――!?」」
一瞬…時が止まった…
“一緒になりたいヤツ”
?
ん!?
誰――――が、誰――――と?