❇️片暉の残照❇️
第22章 香油と裏切り者
「基本、領主の口利きで王都に出て働く貴令嬢が多いのです。なので、自ずと領主王都邸が紹介される…と、言うのが一般です。基本、どこで働いても構いません」
キロが奉公する流れを補足してくれたため、私は「なら!」と、キキを見た。
キキは一瞬嬉しそうな顔をしたが、少し表情を濁らせた。
「ご迷惑ではないですか?」
「キロ、お父様にこの事をお伝えしてもらってもいいかしら?」
「かしこまりました――――では、早速」
そう言うと、キロは部屋を出ていった。
「これも、何かの縁です――――…私は、貴女がここで働いてくれると嬉しいです」
「///ハジロ公爵令嬢様…」
「へへへ///テイスでいいよ」
私は、香油の瓶を大事そうに胸に抱くキキをハジロ邸に迎える事にした。