❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
「何をバカな事を言ってるんだ?!」
サンドラ様がレミ様に向かって吠えた――――…が、レミ様は涼しげに自分の従者や衛兵に私を捕らえるように指示を出した。
王が目の前にいるのに――――…レミ様は自分がこの場の主のように振る舞う。
「――――レミ…暴君が過ぎないかい?さっきから…失礼な態度――――…だね?」
私を捕らえようと躙り寄る衛兵に、レンティス王が呆れたようにいい放つ。
「衛兵――――…ハジロ公爵令嬢を捕らえることはない…罪のない者を捕らえてなになる」
「――――…」
衛兵を止められレミ様はレンティス王を睨むが…すぐに扇子で顔を隠す。
「テイス――――!大丈夫か?」
私が容疑がはれてホッとしていると、お兄様やロミ様が私を支えに庭まで出てくれた。
「お兄様――――ロミ様…ありがとうございます…」
「良かった――――テイスに何かあったら…一大事だ!」
ロミ様は私の無事に安堵したのか顔色が少し戻った。