❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
震える体を支えると、サンドラ様も不安そうにロミ様を支える。
「ロミの…実母も――――馬車の事故で…亡くなっているんだ。しかも、産まれたばかりの弟も…一緒に…」
――――肉親を…二人も?
しかも、産まれたばかりの弟さんも一緒に亡くされていたとは…知らなかった。
――――だから…ロミ様はコーテル様をとても可愛がっていたのね…。
「――――馬車の事故は、領土預かりの爵位家では少なくはございません、専属の馬車整備者がおりませんから…。
しかし、王族爵位家には専属の馬車整備を置く決まりとなっております。“王色”誕生の可能性の多い…王族への配慮です。」
ロミ様の質問に――――ポルギさんは説明をしてくれた。
「では――――なぜ母と弟の乗った馬車の…“整備不良”で車輪が外れ!谷から落ちたのですか!――――その整備担当の者はどうなってのですか!」
――――車輪が…外れた?
整備不良で車輪が外れる…?大臣の奥さまと、ロミ様のお母様の事故はあまりにも類似点が重なっていた。
「もしかして、里帰りの……道中のことでしょうか?」
サンドラ様にコソッと聞くと――――…サンドラ様は大きく頷いた。