❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
「――――なっ、何を…レンティス王…我が…妻は…久しぶりの里帰りの途中…馬車の車輪が外れ……横転し…運悪く命を落としたのです。整備不良が原因だと――――調べはついております!」
コレウス大臣は、心外とばかりに声を震わせ視線を向ける者たちに抗議する!
しかし、大臣こ焦る姿や目の動きから――――信用身が薄れる。
「“整備不良”…とは、大臣の家柄は王族系統の公爵家――――…王族の乗る場所の整備不良など…我が国ではあり得ないことですよね?もし、それが本当なら…御者もしくは馬車番の者を極刑にせねばならぬほど…重い罪なのですよ?」
庭師さんを医師に引き渡したポルギさんが、レンティス王の側に戻ると…そうコニウス大臣に告げた。
「――――ちょ…ちょっと…待ってください!“整備不良”の事故…は、多いと義理母に幼いころ聞いたのですが…違うのですか?」
“馬車の事故”と聞いて――――ロミ様が動揺し始めた…。
「ロミ様――――大丈夫ですか?体が…震えております…」