❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
ロミ様の言葉は強く――――…刺すようにレミ様に向かっていい放たれた。
「――――そうでしたわね……。そんな事も…ありましたね…。旦那様が錯乱するもの分かりますわ――――」
睨み付けられているにも関わらずレミ様は落胆の表情をロミ様に向ける。
「――――本当に…馬車の整備不良…なのですか?」
ロミ様はレミ様に実母キャロル様の事故死の真相が――――本当に馬車の整備不良での事故死なのか詰め寄る。
「――――さぁ…わたくしが知る訳が…無いでしょう?」
レミ様は視線を反らすと……「いい加減にしてちょうだい」と、不機嫌さを露にした。
「――――レミ…様…」
コニウス大臣は…震えながら――――…王の前で頭を下げ続けていた。
「大臣の妻も…私の弟の妻も――――…何故…死ななければならなかったのか……それは全て――――貴女の野望の…ためなのでは?」
冷たくいい放つレンティス王の声に…再びその場の空気が――――凍った。