❇️片暉の残照❇️
第25章 父と子
「テイス――――こっちに!」
私たちも、慌ただしくテラスを出ると…
王の執務室へと通された!
すると、そこには…ハジロ公爵とその妻、ローラお義母様がいた。
「テイス――――、テイス…」
お母様は、荒い息で立ち尽くす私たちを見て、ただ後とならぬ事があったのだと……私を抱き締めた!
「お母様…お母様――――…」
私は緊張の糸が途切れたのか、お母様にすがり泣いてしまう。
「ごめんなさい……お母さんの事が…バレてしまいました…」
私は、約束していたのにお母さんの事を口にしてしまったことを謝った。
しかし、お母様は「いいのよ…いいの!」と、私を強くて抱き締めてくれた。