❇️片暉の残照❇️
第26章 最終章・片暉の姫と未来の騎士
お兄様は、ロミ様の側近を務めつつ私の事を守ってくれている。
三人目の騎士ってイメージであるが、本人は“兄”のポジションに拘っているので、私もお兄様呼びをかえるつもりはない。
「昨年――――成人の義を行い、皆様の前に立つことを許されました…テイス・ゴルドガです。こうやって、皆様に挨拶できることを神に感謝いたします。
皆の暮らしがこれからも豊かになることを願い、我々王族も皆に寄り添った政治を心がけます。“我が国に黄金の祝福あれ!”」
「「「黄金の祝福あれ」」」
私が、この言葉を言うと国民全員が同じくその言葉を復唱する!
それはまるで――――大合唱のように大空に響いた!
大役を務めあげホッとしていると、レンティス王からバラの花束が差し出された!
それは、お母さんのバラ――――…ティアラの花束だった!
「お疲れ様――――素晴らしいスピーチだったよ。ティアナもきっと喜んでるよ!」
そう言うと、肩を抱き寄せられ…一緒に青空を見上げた。
天気のいい日――――私の目は今日も沢山の暉を浴びる…
そして、誇るのだ
この奇跡の片暉を――――――――――。
【完】