❇️片暉の残照❇️
第4章 お兄様と義理母
「そうだわ、お茶会でも開きましょう!ハーブソルトも種類が増えたし――――…アレンジ料理のレパートリーも増えたそうよ!ハーブティも御披露目したいし!ね?」
“ね?”と、言われても――――…私はどうしたらいいか固まるだけで…キョロキョロとお父様とお兄様を目で追いかけるのに精一杯である。
「ん?いいんじゃないか?テイスも来年には社交界にデビューするんだし、少しずつでも、そう言う場には慣れないと……しかし、無理はしないでおくれ?
ローラ、最初は少人数で頼むよ?テイスは大勢の場には不慣れだ」
「ええ――――もちろんよ、親しいお友だけで最初はするわ」
「ありがとう、ローラ」
お父様とお母様が互いに手をとりながら…見つめあい微笑みあっている……。
「テイス、気にするな…あの年で――――まだ、互いに恋しあっているのだ…胸焼けがする」
「///胸焼け……ですか?お兄様…大丈夫ですか?このハーブをお茶に入れてお飲みください、消化を助けます」
私がせかせかとハーブをお茶に混ぜる姿にお兄様は苦々しい顔を見せる。
「――――えっと、あ…ありがとう…テイス……」
私はお父様とお母様の見つめあう姿を見ながらなんだか嬉しくてウキウキした。
仲がいいって素晴らしい!
「――――ジム……テイスは天然なのかい?」
「お答えに困るご質問かと…」
そうして、初の家族団らんのお茶会は過ぎていった。