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❇️片暉の残照❇️

第5章 お茶会と宝物


「テイス――――大丈夫よ、そんなに緊張しないで?本当に親しい友人二人だけの招待だから」


お母様に手を取られ、ハジロ公爵王都邸のサロンで開催されるお茶会の準備を眺めるも…初めての事だらけで緊張する。


穏やかな天候が続くこの季節だが、もうじき秋が近づいているのか肌寒く感じる。



「ゲストを招き入れる側――――って言うのを体験しておくと、呼ばれたときどう行動したらいいのか自ずと分かるものなの。これもいい勉強よテイス頑張りましょう」


「はい――――…」


私は目の前で、場が整えられていく様を魔法がかけられているような感覚で見ていた。


肌寒い外と違い気温が整えられた小さなサロンだが、近づいている秋をこれでもかと満喫出来る会場となっていく。


食器や茶器はもちろん、テーブルからソファ、クッションに至るまで――――…秋を感じさせる色使いで、目にも手触りにもこだわって配色、配置されているのも分かる。


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