❇️片暉の残照❇️
第5章 お茶会と宝物
しばらくすると――――…お母様のお友だちが紋章の着いた馬車に揺られやって来た。
お母様が言っていた通り、招待客は、
ゴルドガ国内いち大きな領土を持つミュントロン公爵婦人と、
その領土内の下位であるフロイザ侯爵婦人の二人だけだった。
「///テイス大丈夫?」
お母様が私の落ち着かない様子を見て心配そうに声をかけてくれる。
「お母様の…大事なお客様ですから…緊張します」
「///大丈夫よ!気さくなご婦人だから!でも――――無理はしないで…休み休みでいいからね?」
「///はい、ありがとうございます」
小さめなサロンには略式ではあるが着飾った婦人が軽やかな足取りで入ると、装飾に目を輝かせる。