箱……戎壹
第2章 十月十日後の母の手
私は、見知らぬ土地でシングルマーザーとして生きている。
そして――――すくすく育つ主人と新しい嫁との間にできた…
この子を――――…我が子として…育てている。
今も――――あの家は、この子を失ったことに…苦しみ…
後悔しているだろうか?
この子の存在を――――…思いだし泣いているだろうか?
この子の存在は――――…
善となるか…
悪となるか――――…
薬になるか…
毒になるのか――――…
楽しみである。
「お母さん――――、何笑ってるの?」
「ん?貴方の将来が楽しみで…笑っちゃうのよ?」
義母は――――まだ元気だろうか…。
この子は、誰に似たんだか…頭の良い子に育ちました。
何をさせても要領が良く――――…本当に可愛い子です。