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子犬、拾いました!

第1章 拾った

ドキッとした。 きっと陽太くんは何気なく言ったんだろうけど。

「じゃ、じゃあ、いっそここに住む?」


冗談ぽく言ってみたら、陽太くんは黙ってしまった。 やっぱり言わない方が良かったかなぁ。


「あのさ、瑠菜さん」

ビクッ! 「あ…何?」

「俺さ、今引っ越し先探してるんだよね」

「え? 遠くに行っちゃうの?」

「あ、ちがうちがう。 今のアパート、取り壊しが決まってて、出なきゃいけないんだよね。 瑠菜さん、さっきの話が本気なら、俺、ここに住みたい」


お箸を置いて、真面目な顔で私を見つめてくるから、きっと本気だ。


「良いよ。 陽太くんが気に入ってくれたなら。 ルームシェア」 

「マジで!! やった!! 瑠菜さん、ありがとう!  アチチ」


はしゃいで拍子に味噌汁が思いきりこぼれた。 子犬、猛反省…


「本当に手がかかるね。君は。 これから困った事があったら、お姉さんに言いなさい!」

「はーい。 (ニコニコ)」


こうして私は、ずいぶん大きな子犬を拾ったのだった。

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