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子犬、拾いました!

第2章 夏祭り

「…嘘でしょ?」

「登れるって。大丈夫」

断崖絶壁を木の根っこに足をかけて、スイスイ登って行く。

「ほら、瑠菜さん」

私に差し出された手。 掴んでゆっくり登ってみた。

最後は陽太くんに腰に手をまわしてもらい、引き寄せられて、なんとか登れた。


「あ~危なー。怖かった」

「俺がいるから大丈夫だって。 あ、ほら始まるよ!」


空に上がった大きな花火。 ベランダから見るよりずっと綺麗だ…。

「…綺麗だね」

陽太くんは花火と私を交互に見ながら、嬉しそうに笑っている。

「本当に綺麗…」

花火に言ったのか、陽太くんに言ったのか、キレイな横顔を見ながら呟いた。

私、この子を離したくない。 もう陽太くんが大好きだった。

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