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子犬、拾いました!

第2章 夏祭り

「これにて、花火大会は終了致します」


「終わっちゃったね…」

「花火の終わりって寂しいね…」

煙の舞う空を見ながら会話を交わす。


「帰ろうか」

「うん、今日は楽しかったね」

崖から下りて、駅までゆっくり歩く。

「あちゃー。足、血が出ちゃってるよ。下駄のせいだな」

血の滲んだ足を見ながら、道の端に座って絆創膏を貼った。

「ありゃりゃ、痛いでしょ? 歩ける?」

「うん、ゆっくり歩くよ」

立ち上がって歩き出した時、「はい」 と言って、陽太くんから手が差し出された。

「転ぶと危ないから、繋ぐ?」

「…ううん。良いよ。大丈夫」


断ってしまった。  まるで小さい姉弟のように、差し出された手だったから。
本当は繋いでみたい…。

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