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子犬、拾いました!

第2章 夏祭り

「? 平気なの?」

不思議そうに手を引っ込めていた。

「うん 行こうか」

陽太くんの隣を行きより少し間を空けて歩いていた。

電車の中、彼の話に私は笑顔で返事できていたかな?



「ただいま」

家に着き、下駄を脱いでヒリヒリ痛む足と胸で家に上がる。

「…瑠菜さん、なんか変じゃない?」

「!!  どうして?何もないよ? 私先にお風呂入ってくるよ」



夏場はいつもシャワーで済ませるのに、今日は湯船に浸かった。

「…陽太くん、ごめんね… 謝らなくちゃ」

せっかく楽しいお祭りだったのに、私が変な態度をとって、台無しにしてしまった。

お風呂から上がり、リビングに向かうと、何やら甘い香りがした。

「あ、瑠菜さん。上がったの? ココア好きでしょ?飲む?」

陽太くん…私が最初に家に泊めた時、ココアを入れたの覚えててくれたんだ…。

そうだ、ゆっくりで良いんだ。陽太くんの中に、私は確実にいる。焦らずに好きになってもらおう。


「ありがとう!」

満面の笑みでココアを受け取った。

「さっき、ごめんね。私変だった?」

「ううん。元気ないように見えたんだ。大丈夫?」

「うん!お祭り楽しかったね!」


陽太くんへの恋心に気づいた今日は、色々あったが良い日だった。



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