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子犬、拾いました!

第3章 雨降りの日

「え? どうして…?」

「瑠菜さん、傘ないんでしょ? 迎えに来たよ」

「…ありがとう」

「ベランダに置き傘が干してあったから、きっと傘がないと思って。 はい」

ニコニコ笑顔で傘を差し出してくれた。

ん? でも良く見ると、傘一本しか持ってない…。

「陽太くんの傘は?」

「………忘れました」


数秒の間をおいて、私達は爆笑した。

「ごめん、僕一つができたら、絶対何か忘れるよね」

「良いよ。おもしろいから(笑) 一緒に入ろうね」


一つの傘に二人、いわゆる相合い傘で帰る。

肩が引っ付いても、もう悲しくはならない。 陽太くんと一緒にいられる今が大事だよね。

「そういえば、陽太くんの傘はあったっけ?」

「うん、ボロ傘が一本」

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