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子犬、拾いました!

第4章 お互いの誕生日

差し出されたのは小さな箱だった。

「良いの? ありがとう!」

陽太くんからの初めてのプレゼントが嬉しくて、ウキウキしながら箱を開けた。
でも、箱を開けた瞬間、気分は一変した。

「陽太くん… これ…」


箱の中身は指輪だった。


「ん… あのね、良かったら受け取って欲しい。 きっと瑠菜さんに似合うと思うから…」

「でも、指輪は好きな人に渡すものなんだよ? お礼とかでは渡しちゃ駄目だよ」


そう言うと、陽太くんは少し黙った。


「俺、瑠菜さんが好きだよ… お礼なんかじゃない」


伏し目がちに言われた言葉に耳を疑った。
陽太くんが私を好き?

「ほ、本当に…?」

「好きだよ。瑠菜さんが好き」

今度は目を見てはっきり言われた。

「わ、私も好きだよ!陽太くんがずっと好きだよ…」

言いながらぼろぼろ泣いてしまった。

「じゃあ、瑠菜は今日から俺の彼女だね。よろしくね」

抱きしめながら言ってくれた。 名前よびすてで。

「こちらこそよろしく! 陽太」


私は見事、子犬の心をつかめたらしい。今日から恋人、よろしくね。

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