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奇跡を信じて

第21章 少しの奇跡

  (翌日、大地の病室にて)
 「大地、元気にしているか?」と幸雄が聞くと、

 「元気じゃない」と大地が答えた。

 大地はここ数日間、微熱が続いていたのだ。

 「もし、大地が元気になったら、誕生日にすごいプレゼントがあるんだよ」と幸雄が言うと、

 「プレゼント? パパ、何をくれるの?」

 「パパからではないのだけれど、今は秘密。でも、大地が元気にならないとあげられないんだ。きっと大地は喜んでくれると思うよ」と幸雄が言った。

 「ほんと? 絶対、元気になる」と大地は明るく言った。

 幸雄とひとみは、大地の誕生日である7月4日の件は、ほぼ諦めかけていた。

 しかし、6月20日頃より大地の熱も不思議と下がり、体調も少しずつ良くなってきたのである。 正直、医師の阿部も驚いていた。


 そして、大地の体調が以前のように回復して、ようやく医師から外出許可が出たのだ。

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