奇跡を信じて
第26章 優勝争い
7月下旬になった。 ジャガーズは、貯金を5としていたが、首位のパイレーツとは、まだ6ゲームの差があった。
そして、ホームランではパイレーツの主砲、バークランドが34本、ジャガーズの田村は、ここ1週間で8本を打ったため29本になり、その差を5本としたのである。
8月の初め、大地はまだ集中治療室のままであった。
そして、主治医の阿部は大地の両親へ、今後回復の見込みは非常にきびしいと通告した。
田村は大地との約束を守るまでは、大地には会わないと自分自身に誓った。
8月の中旬に、ジャガーズは奇跡的に7連勝をして、首位のパイレーツとの差を、ついに2ゲームとしたのである。
田村のホームランが36本、バークランドが38本となり、その差が2本となった。
そして、優勝の争いはパイレーツとジャガーズに絞られたのだ。
ホームランキングも、大方の予想に反し田村の名前も挙がってきた。