
身体を重ねても、想いはズレたまま
第5章 第5章 過去語り
「中学生のときにね。
自分の部屋で寝てたの。
そしたら、なんかお尻の方がもぞもぞってして目が覚めたの。
目の前に誰かがいて、覆い被さってきて。
それが叔父さんだった。
その日、叔父さんがうちに来てて、お父さんたちとお酒を飲んでて。
その日から、叔父さんがうちに来ると、いつも私の寝ている部屋に入ってくるようになった」
突然、賢者タイムで、まったりしていると、過去のことをカミングアウトしてきた。
その間、私は黙って彼女の頭を優しく撫でた。
「あと、実はさ、いま男と同棲してるんだよね」
「そうなんだ」
彼女ほどの美形なら、彼氏がいてもおかしくはない。
それほど私は驚かなかった。
「同棲っていっても、私の従姉妹も一緒なんだけどね。
それで、近々彼女が実家に戻ることになって。
だから、私もその家でようかと思って」
「そうなんだ」
「家賃は彼が全部払ってくれてるんだけど」
「おいしいじゃん」
「でもさ、もともと、流れで付き合った感じだから、そんなに彼のこと好きじゃないんだよね」
「そうなの?」
「そうなの」
レナが、ふふっと力なく笑みを浮かべる。
