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身体を重ねても、想いはズレたまま

第8章 第8章 想いはズレる




私たちは、好きとか愛してるといった言葉を交わすことは今までなかった。



出会いが出会いだったから。



でも、彼女がホテヘルを辞めたのはどうして?

彼女が同棲を解消したのはどうして?

私の職場沿線に引っ越したのはどうして?

過去の嫌な出来事をカミングアウトしたのはどうして?

そして、私の誕生日に電話してきたのはどうして?




心の素直な言葉を吐露するのが苦手な彼女が、行動で私への想いを伝えていたことに気づかない鈍感な私に苦しめられていたことに今さら気づいた。



恥ずかしがらずに心からの言葉を交わすことの大切さと言葉はなくとも相手の行動の端々に想いが乗っていることを見逃してはならない。


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