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黙ってオレに抱かれろ

第8章 ビアルネスと・・・

痛みと吐き気に襲われながらもティオは辺りを見回した

乱れに乱れたベッド

床に転がるワインの空瓶

シーツは気持ち悪いくらいベトついている


「な、何だこれは!?」

「ヤダ、おじさま覚えてないの」


どうやら昨日、ワインを浴びる程飲み明かし

激しいSEXを繰り広げたらしい


「本当に?全く記憶が…うっ、気持ち悪い」

「おじさま、吐かないでよ」

「んぐっ」


生唾が込み上げたかと思うと

豪快に吐いていた


怒ったビアルネスに風呂場へ閉じ込められる

熱いシャワーを浴びて多少スッキリした


「ごめん」

ビアルネスは後始末をしてくれている

「イイよ。おじさまは休んでて」

「ホント、申し訳ない…」

ティオは言葉に甘えてソファに横になる

「うーん、ん〜」

ティオがだらしなく唸っている間に

ビアルネスは寝室を掃除して

汚れた寝具を洗濯して

シャワーを浴びて出てきた


「おじさま、調子はどう?」

「ん〜、サイアク」


チュッ

「おじさま、ダイスキ」

「この体たらくで?…オレは情けないよ」

「イイの。どんなおじさまでもイイの。ビーは
おじさまが居なくなったら生きていけない」

「…ビアルネス」

ビアルネスは大きな瞳を潤ませていたが、涙が溢れるのを必死に堪えていた。

「ビーしっかりするね。おじさまを支えられる様に」

昨日、何があったのだろうか
ビアルネスが少し大人になった気がした

「それは頼もしいな」

「はい、おじさま」

◆◆
2ヶ月後

「おじさま、キモチワルイ」

仕事中、蒼白な顔をしてシンクで吐いてしまった

「いつから?調子悪かったら休んでて良いから」

昼休憩、ビアルネスは病院で受診した

医師が言った言葉が理解できずティオは聞き返した


「ですから、妊娠8週目ですね」


「えっ、え?何かの間違いでは…」

にわかに信じられなかった

ティオは過去に無精子と診断されているのだ

「娘さんはツワリですよ」

「あ、イヤ…娘じゃなくて」

「おじさまは主人なんです」

「あ、これは失礼しました」

会計を済ませて外に出る

「おじさま、ビー ママになるよ」

ビアルネスの笑顔がやさしくキラキラと眩しい

「信じられない…」

「おじさま、しっかりしなくちゃダメだよ」

まだ、実感はない
でも、しあわせだ

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