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黙ってオレに抱かれろ

第4章 ルネスとの再会

「なぁ、ルネスって看護婦はいるか?」

ナースステーションに来るなり、ぶっきら棒に尋ねた。

「すみませんがお客さまはどちら様ですか?」

「ルネスの妹の知り合いの獅真だ」

「少しお待ちください…今日はもう退社してます。携帯にも掛けてみましたが連絡が取れなかったのでお手数ですが明後日お越しいただけますか」

「そうか…入れ違ったか。なぁ、今晩 泊めてもらえるか?」

「ココは病院です。宿泊をご希望でしたらホテルへ行ってください」

獅真は人の居ない待合ロビーで缶コーヒーを啜っていた。

「携帯忘れちゃった〜」

そこへ聴き覚えのある声、ふと顔を向けた。

「あった、あった。お疲れさま」

「ルネス」

急に声をかけられてビックリした様に振り返る。

声にならない息を飲む

目の前にいるのは、もう一度会いたいと願ってやまない相手

「シグマ!」

2人は近くのファミレスに入っていた。

ルネスの質問攻撃に合い、シグマは一つ一つ返答し終わったところだった。

「じゃあ、オレの番だな。ビアルネスに会いたい今どこにいる?」

そう言うと、ルネスはグラスに刺さったストローを弄びならシグマを見つめていた。

「なんだ?」

「やっぱり、ビアルネスなのね…」

注文した料理が運ばれてくる。

「…私も会いたかったのにな」

「オレも会いたかった」

「調子が良いんだから」

しばし静かに食事を楽しんだ。

ルネスはいろいろ話してくれるのだが、肝心のビアルネスの事は教えてくれない。

「もう充分話しただろ。そろそろビアルネスの居場所を教えてくれ」

「会ってどうするの?」

「話がしたい」

「それだけ?」

「あとは、その時の流れで」

「変なことしたらダメよ。あの子、彼氏がいるの。わたしの見立てでは結婚するんじゃないかしら」

「あの養父とか?」

「あはは、養父なんて言ったら、あの子怒るわよ」

「アイツはオレじゃなく、養父を選んだからな」

シグマの深緑の瞳が揺れている。

「どっちにしても今夜はもう遅いわ…シグマはどこに泊まってるの?」

「ちゃんと家はある」

「あら? そうなんだ」

ルネスは俯き、こぼれ落ちる髪を耳にかける。

「なぁ、ウチに来るか?」

それがどういう事か分からない程、純粋(子ども)ではない。

「えぇ、お邪魔しようかな」

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