くるみの初恋、高校教師。
第1章 初めての一人暮らし
私は望月くるみ(もちづきくるみ)。
来週から高校生。
小さい頃から両親が忙しく、お手伝いさんと暮らしてたけど、パパの勧めで春から一人暮らしをはじめることになった。
「くるみ、もう少し一緒にいたいけど、パパそろそろ行かなきゃ行けないんだ。ごめんな。」
「ううん。大丈夫。もう高校生だしね。パパ、お仕事頑張って。また無事に帰ってきてね。」
「ありがとう、くるみ。あ、そうだ。ひとつ伝え忘れたが、なにかあった時は隣の部屋の一ノ瀬さんを訪ねなさい。パパもママも昔からよく知っている人で、覚えてないかもしれないが、くるみも小さい頃に会っているよ。パパからもよろしく伝えてあるからね。今はいないみたいだから、あとで挨拶に行くといいよ。」
「はい。」
「それじゃ、くるみ。次会うまで元気でな。」
「いってらっしゃい、パパ。」
…バタン。