くるみの初恋、高校教師。
第6章 理科の授業
クラス分けされてから、はじめての理科の授業。
「改めて、このクラスを担当する一ノ瀬です。
ここには理科が苦手な子が集まってると思うけど、先生の目標はみんなに理科を好きになってもらうこと。一緒に頑張ろうな。」
『かっこいい〜』
『ずっとこのクラスがいいよね〜』
相変わらず、女子は一ノ瀬先生でうれしそう。
「じゃあ今日は、教科書8ページから。
そしたら〜、望月、読んでくれる?」
「え?はい…。」
"学校では目立ちたくないのに…。
しかも、一ノ瀬先生から当てられることを羨ましがる女子たちの視線が痛い。"
「………。」
「はい、ありがとう。」
読み終えたくるみは、この授業の間ずっと顔を上げることはなかった。