
くるみの初恋、高校教師。
第19章 先生助けて…
「くるみ…」
さすがに一ノ瀬も戸惑った。
くるみが相当なショックで不安定になっていることは明らかだった。こんなこと、本心で言ってるはずがないと、一ノ瀬はゆっくりと言葉を選びながら話はじめた。
「くるみ…ゆっくり深呼吸しよ。」
嗚咽が込み上げるくるみをまずは落ち着かせるため、
背中をさすりながら声をかけ続けた。
「ひっく……っく……せっ…んっ…せ……っく」
「大丈夫、大丈夫。落ち着いて息吸って…、吐いて…。」
「すぅ〜……っく….…はぁ〜……」
「そうそう。大丈夫、そのまま深呼吸して。」
やっとくるみの息が整ってきた。
「くるみ?先生の方みれる?大切なことだから、ちゃんとくるみに話したいんだ。」
一ノ瀬がくるみの顔をのぞくと、くるみはぐちゃぐちゃになった顔をゆっくりと上げた。
そんなくるみの涙を拭うように、一ノ瀬は頬に手を添えて話はじめた。
