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最後には、いつも笑顔

第2章 何かおかしい

 あれ?と思ったのは、2歳のころ。

 突然に目があわなくなった。

 顔の前に、僕が顔を寄せると、マルはすぐに目をそらせる。
 人の顔は見たくないとでもいうように、ささっと目が離れていく。

 抱っこが大好きで、両手をのばしてせがむくせに、抱っこをしてほしい僕らの顔を見ない。
 名前を呼ぶと反応はするけど、顔を向けない。

 意味のある発語もなく、成長としては平均からは遅れていた。

 でもね、そんなまさか。
 のんびりやなんだ、って思っていた。

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