りさと3人のDoctors
第29章 高校2年生
放課後、病院に来たりさは蒼の診察室へ入った。
「りさ、おかえり。」
「ただいま。先生、治療の前に今日は話したいことがあって…。」
「うん。なに?どうしたの?」
蒼はにっこりとりさに向き合ってくれた。
「今日学校でね、修学旅行の案内があって。それで…、わたし行きたいんだけど、行けるのかなって…。」
「修学旅行はどこ行くの?」
「イギリス…。楓さんの住む国だしすごく行ってみたいの。…でも、ちょっと遠いよね。」
「せっかくの修学旅行なんだから、もちろん行ってもいいよ。」
「え!本当!?」
りさは目をキラキラさせた。
「ただし、それまでに体調はしっかり整えないとね。ここ数年、普段はもう心配してないけど、前のインフルの時みたいに、何かあるとやっぱり体に影響は出るからね。イギリスは長旅だし環境も違うから、りさが元気いっぱいだったら行ってもいいよ。」
「うん!わかった!わたし元気だから大丈夫!先生ありがとう!」
りさはよっぽど行きたくてしかなかったのだろうか、蒼に抱きついてよろこんだ。